そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「それじゃあ、ロッシュドギアのお姫様っていうのも」
「……まぁ、一応」
「馴れ馴れしく話しかけてしまってごめんなさい!」
「さっきのままで構わないわ。私、お姫様だなんていう柄じゃないから。気軽に接して」
ナタリアは「でも」と恐縮したように体を小さくさせたが、「それでいつも注意されちゃうんだけど」と言ってあははと笑うソフィアは確かに親しみやすく、徐々に表情を和らげていく。
これからこの部屋で、一年生は各授業の説明を受けることになっている。
中には選択しないといけない授業もいくつかあるため、それに関して話をしていると、クラスメイトの男子ふたりがこちらを見て、不満そうにしているのに気がついた。
「あの人たち、どうしたのかしら」
首を傾げながらのソフィアの疑問に、ナタリアは申し訳なさそうに答えた。
「多分。私があなたと仲良く話しているのが気に入らないのだと思う」
「ど、どうして?」
「あのふたりと、私も武族で。だから……」
濁した言い方それだけで、彼らが魔族を嫌っているのだと察し、ソフィアは「あぁ」と低く呟く。