そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「私は半魔族なのだけど、気が合う相手なら魔族でも武族でもあまり気にしないわ。ナタリアは? 気にするなら、これから話しかけるのを極力控えるようにするけど」
「私も人によるわ。友達になりたいと思える相手なら、そういうの関係なく仲良くなりたいし」
「それなら良かった。どうぞよろしく。仲良くしてね」
ソフィアが握手を求めると、ナタリアは嬉しそうに笑って、差し出された手を握りしめた。
「そう言えば、昨日、校内の案内をしてもらっている時に、一緒にいた男子生徒はどこにいるの?」
「彼、実は新入生ではなくて……私の保護者的存在というか」
「そうだったのね。確かに、オーラが私たち新入生とは違ったものね」
ソフィアが言葉を選びながら答えると、ナタリアは納得するように頷いた。
ほっそりとしてメガネをかけた男性教師が教室に入ってきて、「おはようございます」と呼びかける。
周りを見回すと、席はすでに埋まっていて、それぞれに緊張の面持ちを浮かべている。
「薬草学の教科担任であり、第一館の一年生を受け持つ、ケイト・アイアンズです。みなさん一年間よろしく」
ケイトは生徒たちの顔を見てから、にこりと微笑んだ。