そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
不意に事故にあった時の光景が頭に蘇ってきて、ソフィアは恐怖で苦しくなった胸元を手で抑えた。
そんな様子を見つめながら、「あらそう。お気の毒に」とメレディスは軽い口調で呟いた。
先ほどメレディスは、ゼノンルートへ進んでいると言っていた。と言うことは、彼女が狙っているのはゼノンであってクラウドではない。
目指していた友情ルートで必要不可欠な、メレディスがクラウドと恋に落ちるという前提すら、このままでは達成できない可能性があると、ソフィアは困惑する。
「ゼノンルートはどんな流れ? ……私はどうなるの?」
「大丈夫、ゼノン様のルートであなたは殺されたりしないから。……ただしばらくは牢獄に入るようになるけど」
破滅エンドは避けられないと言うことねと悔しさで唇を噛んだソフィアへとメレディスは歩み寄り、目の前でにっこりと微笑む。
「あなたには申し訳ないけど、私はこのまま愛しのゼノン様とのハッピーエンドを目指して進んでいくわ」
そこで、メレディスはすっと表情の温度下げて、低い声でソフィアに要求する。
「……くれぐれも、私の邪魔はしないでね」
メレディスはそのまま広場を後にし、ひとり残されたソフィアは突き刺さった言葉の痛みと未来への不安に耐えられないように両手で顔を覆った。