そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
闇の魔力は希少であるが、魔族に得意とする者が多いとされている。
しかし、イルバクト学長の言う通り、極めれば心を操ったりできることから、災いの種とされているため、使えることを公にしない傾向がある。
そのため実際に目にしたのはソフィアは初めてで、あれがそうだったのねと今更ながら怖くなる。
氷漬けの成犬を檻の中へ運ぶことで話はまとまり、イルバクト学長とケイト先生にひとまずその場を任せて、ゼノンとソフィアは寮の部屋へ戻ることに。
寮の一号館へ入り、螺旋階段を登りながら、ソフィアは少し強張った声音でゼノンに問いかける。
「……さっきのが闇の魔力なら、あの犬は操られていたってこと?」
「操られていたのか、狂わされていたのか。詳しいことはわからないが、闇の魔力の影響を受けていたのは間違いない」
誰がそんなことをと考えると、ゼノンがメレディス以外の視線を感じていたのを思い出す。
それに関して再びソフィアは疑問をぶつけようとしたが、寮の部屋の前に花が一輪置かれていることに気づいて、唖然とする。
「何か落ちてる……マリアネラか」
花に気づいたゼノンがなぜこんなところにといった面持ちで花を掴み取り、息をのんだ。