そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
集まったみんなで教えあったりしているうちにケイト先生が入ってきて、生徒たちはそれぞれの席へと慌てて戻っていく。
「一号館の生徒たちは他のクラスに比べてまとまりがありますね。みんなで乗り越えようとする助け合いの心があると言いますか。他のクラスは誰も喋らず、教科書に向かっていて殺伐としていましたよ」
生徒たちを微笑ましげに見回してから、にっこりと笑ってそんな感想を述べてから、「さて」と気持ちを切り替える。
持っていた砂時計を生徒たちにも見えるように教卓の上に置いた。
テキパキと用紙が配り終えられると、ケイト先生はそっと砂時計をひっくり返し、「始め!」と声を響かせた。
集中の時間は飛ぶように過ぎていく。
数日にかけて筆記試験を終えた後は、魔法紙や紙風船、広場の噴水などを利用した火、風、水などの力試しに、魔法薬の生成など、実技試験へと突入する。
たっぷり一週間を費やして試験期間が終わり、疲労困憊ながらも開放感に満ちたクラスメイトたちと、ソフィアは「お疲れ」と笑みを交わす。
そして、その五日後の昼休み、試験の順位が発表される。
掲示板に張り出されるのをドキドキしながら見つめていたソフィアの目に、輝かしい成績が飛び込んできたのだった。