そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「やったじゃない! 一位よ、ソフィア!」
隣にいたナタリアに抱きつかれても、ソフィアは口をポカンと開けたまま。
二位のアルヴィン、三位のメレディスを抑えて一番上に書かれてある自分の名前を見つめる。
他のクラスメイトたちも、魔族武族関係なく同様にソフィアへ「おめでとう!」と口々に褒め称えた。
ようやくソフィアも実感が湧いてきて、「嘘みたい」と自分を取り囲むみんなへと笑いかけた。
そしてソフィアは後ろにいるゼノンに、笑顔で振り返る。
「あなたが根気よく付き合ってくれたからよ。ありがとう」
そう言って、感謝の気持ちと共にソフィアはゼノンに抱きついた。
「そうだな、しつこくて結構大変だった」
そんな風にぼやいて見せてから、ゼノンはそっとソフィアの頭を撫でた。
「だがしかし、あの成績はお前の努力の結果だ。誇っていい」
優しく微笑んだゼノンにソフィアは頬を赤らめ、周囲の女子からも口々に「やだ格好いい」と呟きが発せられる。
始業の鐘の音と共に、ソフィアはゼノンやクラスメイトと共に慌てて教室へ。
まだ教師が来ていないのを良いことに、男子生徒たちはゼノンに群がり、「俺たちにも勉強を教えてください」と願い出た。