そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

中には、魔族の子もいて嫌そうにするゼノンにしつこく食い下がっていた。

ゼノンがあの冷酷な国王本人だと気づいたら、どんな顔をするだろうと考えて、ソフィアはこっそり微笑んだ。

午後の「火魔法」の授業の教師は純魔族で、不満な面持ちのまま教壇に立った。


「学年一位が半魔族だなんて。真っ先に不正を疑ってしまったね」

「不正だなんて、そんなことしていません」


ソフィアに反発され教師はムッと顔を顰めたが、生徒たちからも非難の眼差しを受けたことで、面白くなさそうにため息をつく。


「それなら、お隣にいる方がとても優秀でしたのでしょうね。その顔からして……君はアンドリッジ家とゆかりのある者なんだろ?」


こんな信じられない事態に陥った原因はお前にあるといった様子で教師がじろりとソフィアの隣に腰掛けているゼノンを見た。

ゼノンに似ていると思ってはいるが、本人だとは思っておらず、教師は強気な態度は崩さない。


「国王に頼まれたから仕方なく半魔族の面倒を見ているのでしょうけど、あなたも魔族なら、彼女よりもアルヴィンに力を貸すべきだったのでは?」

「なんで俺がアルヴィンを教えなくちゃいけない。断る」

「なっ、モーガン様のご子息に対して、その言い方。失礼ですよ」


< 236 / 276 >

この作品をシェア

pagetop