そんな裏設定知りません！ 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか？

そんな中、なぜか一つだけ、ずば抜けて数値の高い魔力があった。

それは光で、能力値は１０７。

記憶でもゲーム内のソフィアが光の魔力を得意にしていた様子はなかったため、どうしてこれだけ三桁を超えているのか不思議ではあったけれど、考えたところでその答えは分からない。

みんなはどうなのだろうという好奇心から、ハンナや侍女たちのパラメーターを見てみようとしたけれど駄目だった。

確認できたのはいつも通りのパーソナルデータのみで、他人のものは盗み見ることができないらしい。

ソフィアは自分の学力の数値が２上昇して２３と微増しているのを確認し、「私頑張ったわ」と真剣に頷いてから、魔力の個別データを見て小さくため息をついた。


「火とか、水とか、魔力に関してはまだ何も教わってないもの、数値が低いのも仕方ないわよね……でも、それだとどうして光の魔力だけ高いのかしら？」


改めて不思議に思いながら独り言を呟いた時、コンコンと戸が叩かれ、「失礼します」とハンナが部屋に入ってきた。


「あら、もう復習は終わったのですか？」


ハンナはそのまま机へと足を向けて、紙に書き連ねてある文字を確認したのち、ソフィアににこりと笑いかけた。