そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
しかし、二巻と三巻はあっても四巻目がなかった。
「それなら別のお話を」とあと二冊くらい借りてしまおうと考え、面白そうなものはないかしらと並んでいるタイトルを流し見る。
とあるタイトルに目を引かれ、ソフィアは「これ、持っていて」と抱えていた二冊の本をハンナへ手渡した。
「……光の魔力、初級編」
慎重に引き抜いた本を見つめて、ごくりと唾を飲む。
唯一の百超えである光の魔力は、きっとこの先、自分の武器になる。早めに学んでおいて損はない、はず。
「姫様、何の本を……光の魔力、ですか?」
肩越しに、後ろから覗き込んできたハンナが驚いたように目を大きくした。
「興味がおありですか?」と不思議がる様子のハンナに、自分の能力値のことを話すわけにはいかず、ソフィアは咄嗟にその横に並んでいる『火の魔力、初級編』も手に取った。
「う、うん。まだ習ってないけど、魔力のことも色々知りたくて」
「そういうことでしたら、そろそろ魔力に関して学び始めましょうか。まだ幼くても生活魔法が使えるようなれば便利ですし。まずは近いうちに、姫様の魔力属性を鑑定していただかなくては」