そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
三章
日々勉学に励んで三ヶ月が経ち、もうすぐソフィアの七歳の誕生日がやって来る。
あの日、図書館の二階でゼノンからもらった光の魔力の本をパタリと閉じて、ソフィアはソファーから立ち上がる。
そっと本棚へと戻し、その隣に並んでいる五冊の真新しい教本へと視線を移動してこっそりと微笑んだ。
あれから二度ほど、呼び出される形で図書館の同じ場所でゼノンと顔を合わせており、そのたび新しい教本をプレゼントされて増えたのだ。
苦手な分野も克服しなくちゃと思いながらゼノンからもらった火の魔力の本に手を伸ばすも、迷うように本の手前で指先が停止する。
生活魔法すらまだしっかり発動できず失敗することも多い状態だ。
そのため、この本に書いてあることは、ソフィアにはどうしても難しく感じられる。
自分のパラメーターを見ていても、光の魔力に関しては面白いくらい数値が伸びていくが、他の魔力の数値に関しては頑張りに比例せず、心が折れそうになることもしばしば。
とは言え、悲惨な未来を回避するためには、めげずに勉強を続けなければならない。
頑張らなくちゃと意気込んで再び手を伸ばすが、でもやっぱり難しいしと指先が躊躇いなかなか本に到達しない。