シュクリ・エルムの涙◆
「だ、だからアッシュは、ずっと鍛えてきてくれたの……?」
代わりに零れ出した言葉は、彼の過去に問い掛けていた。
もし本当にシアンお兄様の言った通り、宝物を守るためだとしたら──それはあたしから輝きを失わせないために、ということにも……繋がる?
「まさかこんな風に、実際役立つことになるとは思ってもみなかったけどね。少しでもリルのパパの力になれたら、僕も嬉しいよ」
「あの、ありがとう……だけど、お願いだから無理はしないで、ね」
あたしのすがるような眼差しに、アッシュは「うん」と一つ頷いてみせた。と同時にその面差しが、照れ隠しするようにはにかんだ。
「本当のことを言うとね、僕は初めラウルおじさんから剣術を学びたかったんだ」
「え? パパから??」
その時もう一つの明かされていない秘密に繋がった気がした。
もしかして……アッシュの憧れの人って──あたしのパパなの?
王宮から自宅へ立ち寄った際の、アッシュの言葉を思い出す──「僕も少なからず君のパパの過去を知っているからね。あんなに辛い人生を歩んできたのに、いつでも笑顔を忘れなかったのは、本当に強い心を持っているからだと思うよ」
確かシアンお兄様は小さい頃に両親を事故で亡くされて、アッシュのお爺様の元、アッシュのお父様と共に厳格に育てられた。そんな縛り付けられた環境から自由を手にしたお兄様を、アッシュは理想の存在に掲げたのだろうけど……それ以上に憧れる対象だとタラお姉様が言ったのは──同じく辛い過去を持つパパのこと、なんだろうか? ──だからアッシュはどんな時でも、笑顔を絶やさずにいようとしているの??
代わりに零れ出した言葉は、彼の過去に問い掛けていた。
もし本当にシアンお兄様の言った通り、宝物を守るためだとしたら──それはあたしから輝きを失わせないために、ということにも……繋がる?
「まさかこんな風に、実際役立つことになるとは思ってもみなかったけどね。少しでもリルのパパの力になれたら、僕も嬉しいよ」
「あの、ありがとう……だけど、お願いだから無理はしないで、ね」
あたしのすがるような眼差しに、アッシュは「うん」と一つ頷いてみせた。と同時にその面差しが、照れ隠しするようにはにかんだ。
「本当のことを言うとね、僕は初めラウルおじさんから剣術を学びたかったんだ」
「え? パパから??」
その時もう一つの明かされていない秘密に繋がった気がした。
もしかして……アッシュの憧れの人って──あたしのパパなの?
王宮から自宅へ立ち寄った際の、アッシュの言葉を思い出す──「僕も少なからず君のパパの過去を知っているからね。あんなに辛い人生を歩んできたのに、いつでも笑顔を忘れなかったのは、本当に強い心を持っているからだと思うよ」
確かシアンお兄様は小さい頃に両親を事故で亡くされて、アッシュのお爺様の元、アッシュのお父様と共に厳格に育てられた。そんな縛り付けられた環境から自由を手にしたお兄様を、アッシュは理想の存在に掲げたのだろうけど……それ以上に憧れる対象だとタラお姉様が言ったのは──同じく辛い過去を持つパパのこと、なんだろうか? ──だからアッシュはどんな時でも、笑顔を絶やさずにいようとしているの??