シュクリ・エルムの涙◆
逆を言えばジュエルを外してしまうと、あたしの髪色はたちまちピンク・グレーに戻る。パパもママもそんなあたしを、昔のママを思い出して懐かしそうに見詰めるけれど……まぁね、あたしも嫌いじゃないよ、この色。
あたしは『視えない』義眼を挿し込んで、左の瞼をパチパチと瞬いた。
半分になった視界は前回ヴェルに行った三年前以来だから、慣れるのには少し時間が掛かるだろう。
いつもありがとう──ジュエル。
あたしはふと保管庫へ振り向いて、中に隠されたジュエルにお礼を言った。
これから数日間、ゆっくりと眠っていてね。自分の故郷に優しく抱かれて。
そうして保管庫を自分の寝台カプセルに運びながら、あたしはニヤリと笑ってみせた。
本当は知ってるんだージュエルの秘密!
ジュエルはあたしを宿主にしたかった訳じゃない。
別にあのままパパでも構わなかったのだ。
でも、ね。ほら、良ーく考えてみて? ママってきっとパパよりベイビーと一緒にいるものでしょ?
あたしが宿主になればジュエルはいつでも幾らでも、今まで以上に微笑み掛けてもらえるのだ。
自分が一番恋人にしたかった、あたしのママの碧い瞳に──!!
あたしは『視えない』義眼を挿し込んで、左の瞼をパチパチと瞬いた。
半分になった視界は前回ヴェルに行った三年前以来だから、慣れるのには少し時間が掛かるだろう。
いつもありがとう──ジュエル。
あたしはふと保管庫へ振り向いて、中に隠されたジュエルにお礼を言った。
これから数日間、ゆっくりと眠っていてね。自分の故郷に優しく抱かれて。
そうして保管庫を自分の寝台カプセルに運びながら、あたしはニヤリと笑ってみせた。
本当は知ってるんだージュエルの秘密!
ジュエルはあたしを宿主にしたかった訳じゃない。
別にあのままパパでも構わなかったのだ。
でも、ね。ほら、良ーく考えてみて? ママってきっとパパよりベイビーと一緒にいるものでしょ?
あたしが宿主になればジュエルはいつでも幾らでも、今まで以上に微笑み掛けてもらえるのだ。
自分が一番恋人にしたかった、あたしのママの碧い瞳に──!!