シュクリ・エルムの涙◆
ママを無事に受け止めたパパが、そのまま沈んだ反動を利用して踏み込み、空けた右手をあたしへ向け跳んだ! 抱えられているママの左手も同時にあたしへ伸ばされていた。なのに二人の指先はギリギリ届かないまま、パパとママは地面に倒れ込み、あたしはもう半分光の中へ、そしてパパの手中に握られている筈のジュエルは、いつの間にか消えていた!!
目の前から放たれるラヴェンダーの微かな香りと、穂のような細長い淡い紫光──って? 空飛ぶジュエル!?
「ジュエル、お願い!」
どうせ来るのならあたしの中に入ってよ! あたしを宿主に戻して、力を与えて!!
心の中でひたすら拝んだ。けれどあたしの義眼はピクリともしない。この眼が外れなければ、ジュエルはあたしの元に戻れない。だからジュエルは単身サリファに挑もうとしているの!? だったら──
「来ちゃダメぇ! ジュエル!!」
あたしの叫びに刹那「何か」が反応を示した!?
パパの胸ポケットから勢い良く飛び出す小さな毛むくじゃら! 徐々にあたしに近付くジュエルを追いかけてきたその姿は──!!
丸まった灰色毛玉がパッと飛膜を広げ、小さなマントに変わる!
「ピータン!!」
なのに何を思ったのか、ピータンは宙を流れるジュエルを捕まえず……
パクッとお口でキャッチした──!?
目の前から放たれるラヴェンダーの微かな香りと、穂のような細長い淡い紫光──って? 空飛ぶジュエル!?
「ジュエル、お願い!」
どうせ来るのならあたしの中に入ってよ! あたしを宿主に戻して、力を与えて!!
心の中でひたすら拝んだ。けれどあたしの義眼はピクリともしない。この眼が外れなければ、ジュエルはあたしの元に戻れない。だからジュエルは単身サリファに挑もうとしているの!? だったら──
「来ちゃダメぇ! ジュエル!!」
あたしの叫びに刹那「何か」が反応を示した!?
パパの胸ポケットから勢い良く飛び出す小さな毛むくじゃら! 徐々にあたしに近付くジュエルを追いかけてきたその姿は──!!
丸まった灰色毛玉がパッと飛膜を広げ、小さなマントに変わる!
「ピータン!!」
なのに何を思ったのか、ピータンは宙を流れるジュエルを捕まえず……
パクッとお口でキャッチした──!?