シュクリ・エルムの涙◆
──あー……ごめんね、リル、ヴィ……アタシ……もう、ちょっと、眠くなって……きちゃった……
「えっ!?」
途切れ途切れ何とか言葉を紡ぐエルムに目を向ければ、涙を拭っていた筈の可愛い指が、眠気眼を擦るように、両目をゆっくり端から端へと左右に行ったり来たりしていた。
「あ、ねっ、ちょっと待って! エルムが寝ちゃったら、サリファが出てくるってことでしょ!? サリファはどうしたらやっつけられるの? ジュエルがいれば、何とかなるの!?」
──んー、えっとね……ぇ……
「エルム~!!」
まだまだしっかり理解出来ていないのに! まだまだ訊きたいことが沢山あるのに!!
──お願い、リルヴィ……シュクリ、を、もう、哀しませたく……ないの……、だ、から……ジュエルに、どうか……ジュエル、を……
「エルム、起きて! ジュエルをどうしたらいいの!?」
益々眠りに落ちそうなエルムを励ましつつ、あたしは小さくなっていく声に耳を澄ました。
──ジュエルを……「本当の名前」で、呼んで、あげて……
「本当の、名前?」
辺りを取り巻いている金色の光が徐々に眩しさを増して、エルムの姿が光に消え、唯一最後に聞こえた言葉は──
──……「リトス=ヴェル……=デリテリート」って……
「リトス=ヴェル=……」
「デリテリート」──!?
「えっ!?」
途切れ途切れ何とか言葉を紡ぐエルムに目を向ければ、涙を拭っていた筈の可愛い指が、眠気眼を擦るように、両目をゆっくり端から端へと左右に行ったり来たりしていた。
「あ、ねっ、ちょっと待って! エルムが寝ちゃったら、サリファが出てくるってことでしょ!? サリファはどうしたらやっつけられるの? ジュエルがいれば、何とかなるの!?」
──んー、えっとね……ぇ……
「エルム~!!」
まだまだしっかり理解出来ていないのに! まだまだ訊きたいことが沢山あるのに!!
──お願い、リルヴィ……シュクリ、を、もう、哀しませたく……ないの……、だ、から……ジュエルに、どうか……ジュエル、を……
「エルム、起きて! ジュエルをどうしたらいいの!?」
益々眠りに落ちそうなエルムを励ましつつ、あたしは小さくなっていく声に耳を澄ました。
──ジュエルを……「本当の名前」で、呼んで、あげて……
「本当の、名前?」
辺りを取り巻いている金色の光が徐々に眩しさを増して、エルムの姿が光に消え、唯一最後に聞こえた言葉は──
──……「リトス=ヴェル……=デリテリート」って……
「リトス=ヴェル=……」
「デリテリート」──!?