シュクリ・エルムの涙◆
見えるのは遠ざかる空だけだった。頭上の海はどれくらい近付いているのだろう? うーん、でも、ココで諦めちゃったら、あたしの言っていることとやってることって違うよね!? 絶対に諦めない気持ち──エルムにも与えることが出来たんだ。そのあたしが諦めるなんて~手はないのだ!!
「くっ──!!」
あたしは脱力した身体に何とか力を込めて、仰向けの身体を反転させた。その時視界の端にキラりと何かが……光った?
「リル──!!」
「ルヴィ──!!」
あぁ……聞こえる! でもこれって……走馬灯なんかじゃないわよねぇ??
「リル──!!」
「ルヴィ──!!」
「あっ……!」
今度はハッキリと聞こえていた。アッシュがあたしを呼ぶ愛称。ルクがあたしを呼ぶ愛称。見える……小さな白い軽飛行機! あたしを迎えに来てくれたんだ!!
「アッシュ!! ルク──!!」
旋回して一瞬消えた機体が、一気に目の前に現れた! 乗り出して迎えてくれた二人の手に、両手を力一杯伸ばしてみせる!!
「リル!!」
「ルヴィ!!」
「たっ……ただいま!!」
凍りつきそうな冷たい掌が、二人の愛情溢れる熱を吸い取って──
──おかえり、リル。
──おかえり、ルヴィ。
あたしは温かい優しさに包まれながら、遠く彼方から聞こえる二人の声に……幸せそうに微笑んでいた──。
「くっ──!!」
あたしは脱力した身体に何とか力を込めて、仰向けの身体を反転させた。その時視界の端にキラりと何かが……光った?
「リル──!!」
「ルヴィ──!!」
あぁ……聞こえる! でもこれって……走馬灯なんかじゃないわよねぇ??
「リル──!!」
「ルヴィ──!!」
「あっ……!」
今度はハッキリと聞こえていた。アッシュがあたしを呼ぶ愛称。ルクがあたしを呼ぶ愛称。見える……小さな白い軽飛行機! あたしを迎えに来てくれたんだ!!
「アッシュ!! ルク──!!」
旋回して一瞬消えた機体が、一気に目の前に現れた! 乗り出して迎えてくれた二人の手に、両手を力一杯伸ばしてみせる!!
「リル!!」
「ルヴィ!!」
「たっ……ただいま!!」
凍りつきそうな冷たい掌が、二人の愛情溢れる熱を吸い取って──
──おかえり、リル。
──おかえり、ルヴィ。
あたしは温かい優しさに包まれながら、遠く彼方から聞こえる二人の声に……幸せそうに微笑んでいた──。