シュクリ・エルムの涙◆
■第二章■ TO THE PALACE(王宮へ)!
[9]弟妹のお守り? *
ヴェルに到着したのは、まだ春霞の煙る早朝だった。
だからアッシュもルクも朝食を済ませないまま駆けつけてくれたのだそうで、パパのお手製クロワッサンに彩りたっぷりサラダ、ママの特製具沢山ポトフが、あたしを含めた三人に振る舞われることになった。そんな美味しい料理の数々を、ワイワイ騒がしく堪能する。先に食事を済ませたパパとママが、その光景を嬉しそうに見詰めているのは……まぁ子供が三人も出来たような気分なんだろうか? あたしも一人っ子だから、こんなカッコいいお兄さんと、可愛い(?)弟分がいたら楽しいとは思うけれど。
「午前は家の片付けを済ませて、正午には王宮へ行くけど、君達も呼ばれているかい?」
さすがに食べ盛りの男の子達だ。全てをおかわりして、あたしが一杯目を食べ切る頃にはほぼ終えていた。そんなタイミングを見計らっていたのか、じっと笑顔で見守っていたパパが二人に問い掛けた。
「はい、僕はタラ姉さんに同行するように言われていますし、ルクもツパイおばさんから打診を受けて、出席することになっています」
へぇ~二人も行くんだ、王宮主催の昼食会。