シュクリ・エルムの涙◆
口元を上品にテーブルナプキンで拭き取ったアッシュが、ルクの分まで答えたせいか、ルクは少し恥ずかしそうに無言でパパに頷いてみせた……って言うのは、口の中にたっぷり頬張ったウィンナーが、まだ入っていたからみたいだけど。
「そう。なら、また賑やかなランチになりそうで良いね。それまで二人とも時間は?」
と、パパが再び質問した途端、「うっうん!」と咳払いをしたルクが姿勢を正す。何を競おうと思っているのか、今度はどうしても自分が答えたかったらしい。アッシュに「ボクが!」みたいな表情で牽制し、けれどやっぱりヘンテコなどもりは治らなかった。
「ボ、ボ、ボクはっ! だ、大丈夫です~いつでも、どこでも!! な、なんでもやりますっ!!」
いや、多分パパが頼みたいのは、ルクには無理なことだと思うよぉ?
あたしは両掌に顔を乗せて、斜め右側にあるルクの奮起する横顔をジト目で見据えた。
「僕も大丈夫ですよ。何をしたら良いのですか?」
反面、左横のアッシュは至極落ち着いている。そして彼ならお手の物なのだろう。今度はアッシュを視界の端に入れて、はぁ~と一つ溜息をついた。だって……
「リルの宿題を見てもらいたいんだよ。ただ答えは教えないでね。あくまでもやり方だけを教えてほしい」
ほらね~やっぱり。
そしてパパのお願いに案の定ルクの呼吸が「うっ!」と唸って止まる。ルクも「こちら側の人間」なんだからダメなんだってー!
「承知しました。僕は皆さんを待つ間に、自分の課題は済ませておきましたから。──ルク? ……も、良かったら持っておいでね」
返事をしつつ「固まったルク」に気付いたアッシュは、少々困ったように声を掛けた。またまた恥ずかしそうに身を縮めるルク。そんなに恐縮することないのに~。
「そう。なら、また賑やかなランチになりそうで良いね。それまで二人とも時間は?」
と、パパが再び質問した途端、「うっうん!」と咳払いをしたルクが姿勢を正す。何を競おうと思っているのか、今度はどうしても自分が答えたかったらしい。アッシュに「ボクが!」みたいな表情で牽制し、けれどやっぱりヘンテコなどもりは治らなかった。
「ボ、ボ、ボクはっ! だ、大丈夫です~いつでも、どこでも!! な、なんでもやりますっ!!」
いや、多分パパが頼みたいのは、ルクには無理なことだと思うよぉ?
あたしは両掌に顔を乗せて、斜め右側にあるルクの奮起する横顔をジト目で見据えた。
「僕も大丈夫ですよ。何をしたら良いのですか?」
反面、左横のアッシュは至極落ち着いている。そして彼ならお手の物なのだろう。今度はアッシュを視界の端に入れて、はぁ~と一つ溜息をついた。だって……
「リルの宿題を見てもらいたいんだよ。ただ答えは教えないでね。あくまでもやり方だけを教えてほしい」
ほらね~やっぱり。
そしてパパのお願いに案の定ルクの呼吸が「うっ!」と唸って止まる。ルクも「こちら側の人間」なんだからダメなんだってー!
「承知しました。僕は皆さんを待つ間に、自分の課題は済ませておきましたから。──ルク? ……も、良かったら持っておいでね」
返事をしつつ「固まったルク」に気付いたアッシュは、少々困ったように声を掛けた。またまた恥ずかしそうに身を縮めるルク。そんなに恐縮することないのに~。