シュクリ・エルムの涙◆
「えー、えっと……あー! ね、ねぇ、ルク!」
「んん?」
隣でトボトボと歩いていたルクの、丸っこい瞳が戸惑うあたしの表情を捉えた。
「ツパおばちゃんが首相になったら嬉しい?」
何となく現れたのは、昼間の出来事の続きだった。
真正面に向き直したルクの横顔が、大切な質問だと言うように一度沈黙を作る。
そしてしばらくルクも考えを巡らせたのだろう、ゆっくりと開いた口元から、
「ボクはおばさんがなってくれたら嬉しい、と思う。自分の伯母さんだからって訳ではなくて……おばさんはそれに見合う人物だと、思うから。でも……」
この時のルクは、不思議とどもらずに答えを返した。それからふいに歩みを止める。二歩ほど進んでしまったあたしの振り返る眼差しに、思いの丈を紡ぎ出したルクの面差しは──
「でも今のおばさんは……ならない方がいいのかも知れない。あんなおばさんは初めて見たから……だからおばさんは、きっとならないと思う」
「──え……?」
そう断言したルクもまた、あの時のツパおばちゃんと同じくらい辛そうに見えた。
何故なの? ツパおばちゃんは何を抱えているの?? 一体どうしてならないというの──!?
※作者談・・・とは言え、夜道に子供?二人では心配なので、アッシュは離れて二人を送っておりましたとさ(笑)。
「んん?」
隣でトボトボと歩いていたルクの、丸っこい瞳が戸惑うあたしの表情を捉えた。
「ツパおばちゃんが首相になったら嬉しい?」
何となく現れたのは、昼間の出来事の続きだった。
真正面に向き直したルクの横顔が、大切な質問だと言うように一度沈黙を作る。
そしてしばらくルクも考えを巡らせたのだろう、ゆっくりと開いた口元から、
「ボクはおばさんがなってくれたら嬉しい、と思う。自分の伯母さんだからって訳ではなくて……おばさんはそれに見合う人物だと、思うから。でも……」
この時のルクは、不思議とどもらずに答えを返した。それからふいに歩みを止める。二歩ほど進んでしまったあたしの振り返る眼差しに、思いの丈を紡ぎ出したルクの面差しは──
「でも今のおばさんは……ならない方がいいのかも知れない。あんなおばさんは初めて見たから……だからおばさんは、きっとならないと思う」
「──え……?」
そう断言したルクもまた、あの時のツパおばちゃんと同じくらい辛そうに見えた。
何故なの? ツパおばちゃんは何を抱えているの?? 一体どうしてならないというの──!?
※作者談・・・とは言え、夜道に子供?二人では心配なので、アッシュは離れて二人を送っておりましたとさ(笑)。