シュクリ・エルムの涙◆
[21]少年の憧れ? *
「ごめんなさい! ごめんなさいっ……お姉様!!」
あたしは目の前で急停車し、大きく振りかぶって頭を下げた。その後ろに二人も駆け寄ってきたのが感じ取れた。
「あらん……イヤあネェ~どうして謝ってるの? リルヴィちゃん?? ワタシはアシュリーが何処かでカワイコちゃんでも口説いてるんじゃないかって、心配して待っていただけヨン。まぁ~もう一人騎士が付いていてくれたみたいだから……安心したわ」
「あ……」
やっぱり……タラお姉様は、あたしを心配してココまで出てきてくれていたんだ。
「姉さん、ごめん……遅くなって」
真後ろからアッシュの申し訳なさそうな声が降ってきた。
「いいえ~お陰様でシアンの愛の深さも三人に見せつけられちゃったしー? まぁとにかく中へ入りまショ。ルクアルノ、電話貸してあげるから、今夜はアシュリーの部屋に泊まるって、親御さんを安心させなさいヨ?」
「は、はい! ありがとうございます!」
ルクがパッと明るい声で顔を上げたのが目に入った。きっとすぐ家に帰されてしまうと危惧していたのだろう。
可憐なシャンデリアが煌めくエントランスの眩しさは、タラお姉様の幸せな生活を示しているようにも思えた。
「誰からか聞いたんですか?」
「ええ。ツパイの使いだって男性が一人駆けつけてくれたわ。ツパイは明朝来るそうだから、今夜はもう寝ましょうネ。リルヴィちゃん、シアンはルクアルノと三人で、アシュリーの部屋で眠ることになったから、ワタシと一緒に休みまショ」
アッシュの問いに答えながら誘うタラお姉様に連れられて、まずはリビングのソファに腰を下ろした。ルクが自宅に電話をしている間に、洗面所を借りて着替えと支度を済ませた。
タラお姉様もシアンお兄様も、パパとママのことは一切訊いてこなかった。ツパおばちゃんの使いの人に事情を聴かされたからだろうけど、何も口に出さないのは、きっとあたしのことを想ってなんだろう。
あたしは目の前で急停車し、大きく振りかぶって頭を下げた。その後ろに二人も駆け寄ってきたのが感じ取れた。
「あらん……イヤあネェ~どうして謝ってるの? リルヴィちゃん?? ワタシはアシュリーが何処かでカワイコちゃんでも口説いてるんじゃないかって、心配して待っていただけヨン。まぁ~もう一人騎士が付いていてくれたみたいだから……安心したわ」
「あ……」
やっぱり……タラお姉様は、あたしを心配してココまで出てきてくれていたんだ。
「姉さん、ごめん……遅くなって」
真後ろからアッシュの申し訳なさそうな声が降ってきた。
「いいえ~お陰様でシアンの愛の深さも三人に見せつけられちゃったしー? まぁとにかく中へ入りまショ。ルクアルノ、電話貸してあげるから、今夜はアシュリーの部屋に泊まるって、親御さんを安心させなさいヨ?」
「は、はい! ありがとうございます!」
ルクがパッと明るい声で顔を上げたのが目に入った。きっとすぐ家に帰されてしまうと危惧していたのだろう。
可憐なシャンデリアが煌めくエントランスの眩しさは、タラお姉様の幸せな生活を示しているようにも思えた。
「誰からか聞いたんですか?」
「ええ。ツパイの使いだって男性が一人駆けつけてくれたわ。ツパイは明朝来るそうだから、今夜はもう寝ましょうネ。リルヴィちゃん、シアンはルクアルノと三人で、アシュリーの部屋で眠ることになったから、ワタシと一緒に休みまショ」
アッシュの問いに答えながら誘うタラお姉様に連れられて、まずはリビングのソファに腰を下ろした。ルクが自宅に電話をしている間に、洗面所を借りて着替えと支度を済ませた。
タラお姉様もシアンお兄様も、パパとママのことは一切訊いてこなかった。ツパおばちゃんの使いの人に事情を聴かされたからだろうけど、何も口に出さないのは、きっとあたしのことを想ってなんだろう。