王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
「そうなのか?それは誰か、聞いてもいいか?」
「…どうして聞くんですか、そんなこと」
温室に通うようになって、会話を交わして、最初に会った時のような緊張はなくなってきたが
キースがルージュの家族について触れて怒らせてから、ルージュのプライベートについては誰も触れてこようとはしなかった。
「あの時、歓迎会があった日も言ったと思うが。俺の大切だった子に似ているんだ、君は」
(大切だった、子。それって今は、大切じゃなくなったってこと?それとももう、死んでると思ってるから?)
「まぁ、似ているだけで髪の色や、瞳の色は全然違うが」
「そうですか…」
「君を、あの子の代わりにしてるとかではない。
ただ時々、重ねてしまうんだ。あの子がいたら、こんな風に成長していたのかって。あの子がいれば…、今頃一緒に…」