王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
カップの中で揺れるお茶を、見つめているフォルテ先生からは
捕まえられない悔しさや、力の足りない自分に対する苛立ちが感じれた。
「…ごめんなさい。私やっぱり駄目だわ。生徒と犯罪者を同じにするなんて」
「それはかまいませんが、そいつの特徴と名前を教えていただけませんか」
「えっ…、どうして?」
「決まってるじゃないですか、見つけ出すんですよ」
ルージュは立ち上がり、魔力を練り上げ始める。
色が戻らないように、慎重に少しづつ。