王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます


ルージュの部屋は最上階の端っこ。

白い壁、アンティーク調の家具たち。

日当たりもよく寝室、浴室、トイレは分かれていて広さも十分ある。

ルージュは部屋を見渡し満足そうに目を細める。

(ここなら快適に過ごせそう)

「ここは、他の部屋と比べて少し狭いんですが…」

「私には、十分です」

ルージュは今までずっと一つの部屋を四人で共有していたので、

誰にも気を使うことなく一人で過ごせるだけでも満足だった。

「なら、よかったです…」

ズィウン先生は少し息を吐き、肩から力を抜いた。

この部屋に貴族を案内すると、狭いだのなんだの文句を言うのだろう。

…長年、貴族を相手にすると、人はこうも疲れるものなのか。
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