王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
ルージュにとって、魔法について分からないこともなければできないこともない。
どんな魔法でもすぐに理解し、実現させる。
誰に見せるでもなく、自慢するでもなく、ただただ楽しんでいる。
それだけがルージュの娯楽で、唯一心から楽しんでできることだった。
町の人たち、施設の子たちには教えなかったし
サフィもルージュが学園に受かった時まで、魔力が多いことは知らなかっただろう。
自分の本当の容姿すら見せなくて、ずっと髪も瞳も変えたままで過ごした。
後ろめたさもあったが、それでも…。
(…部屋の周りに結界を張っておかなきゃ)
音が外に聞こえないように、人が近づいたら分かるように、万が一に攻撃された時用にと…、あとは……。
「これくらいでいいかな…、『定着』」