王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます


「どうぞ」

中に入ってきたのは、予想した通りクフォードだった。

今日のクフォードはいつもの制服姿とは打って変わって、王子らしい恰好をしていた。

黒に金で刺繍された上下揃いの服に、赤いネクタイ。

襟の部分には、この国の紋章のピンを留めている。

「おう。よく来てくれたな。

やっぱり行かないと言われたらどうしようかと、ヒヤヒヤしたんだが」

「さすがにそんなことしませんよ」
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