王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
「あの、」
周りの声を気にせず、腕を組んで瞑想していると声をかけられた。
目を開けるとアクアブルーの垂れ目の瞳に、パウダーピンクの髪をリボンで編み込みにした女生徒が立っていた。
「…なにか?」
「わ、私、リィラ・カーネインと申します。失礼ですが、もしかして特待生の方ですか?」
「そう、ですけど」
私が訝しげな目を向けるとリィラ・カーネインと名乗った女生徒は少し焦ったように慌てて言葉を続ける。
「あ、あの、よかったら、これから仲良くしてほしいな、って、思って…」
「はぁ…、仲良く…。でも、あなた貴族ですよね…?」