王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
「えっ…あ、で、でも」
彼女はショックを受けたように傷ついた顔をして、俯いた。
「あら、せっかく貴族であるカーネインさんが仲良くしようと言ってあげているのに断るだなんて」
「ほんと、何様のつもりなのかしら」
リィラの後ろから彼女を庇うように前に進み出てきたのは、吊り目のいかにも気の強そうな女生徒と
それにつき従うように取り巻きの女生徒が2人。
「あなた庶民なんでしょ?庶民からしたら私たち貴族と縁をつなげられる絶好の機会でしょう。
これからのことを考えるなら、私たちと仲良くした方がいいわよ」
「そうそう、なにせこの方は公爵令嬢であるレイチェル・シュレイン様」
「王太子殿下のご婚約者候補筆頭なのよ」
(つまり、まだ婚約者ではないってことね…)