王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
取り巻きたちの言葉に満足そうに頷き、唇の端を上げたレイチェルがリィラを自分の隣に来させる。
「さっきこの子に言ったことを謝罪するなら許してやってもいいわよ」
リィラを見ると頬がピンクに染まり、隣のレイチェルに憧れの目を向けている。
(もう元気そうだけど…)
「…私は謝罪しなければいけない事なんてしてないと思いますが?」
まさか逆らわれるとは思っていなかったのか、みんな目を瞠り固まっている。
真っ先に驚きから立ち直ったレイチェルが、顔を真っ赤にして吊り目をさらに吊り上げ睨んできた。
「あ、あなたねっ、私を誰だと思っているの!?」