王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
「父様?」
じろりと父様の方を向くが、仕方ないだろうと開き直っていた。
「設計士もネロのお披露目で張り切っていたんだ。私はそれを尊重したんだよ」
「…ネロ、諦めろ。どのみち普通の馬車は最初から除外されてただろうから」
「兄様たちも一緒だから、ね?」
「はい…」
今日のパレードのために用意されたドレスは、オフショルダーのプリンセスライン。
全体的に白で統一されており、この国の王族が持つ緑の瞳と同じ色のエメラルドがあちこちに散りばめられている。