王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
新入生代表の挨拶が終わり、レイチェルが壇上を降りる。
続いて、在学生から新入生への挨拶
「新入生の皆さん、入学おめでとう。私はクフォード・ランベルト、この国の第二王子だ」
少し襟足が伸びた、ダークグレーとライトグレーが混ざった髪に、澄んだエメラルドの瞳。
背筋を伸ばし、人前に立つことに慣れているとわかる、堂々とした淀みのない口調。
(この人が、第二王子…)
歓声こそ出ていないものの、周りはみんな目の前の王子様に夢中だ。
女子は目がハートになっているし、男子は一言も聞き逃すまいと釘付けになっている。