王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
だが、この町に来てからも常に色変化の魔法はかけている。
今の色は、マルベリーの髪に瞳はネイビーブルー
ーーあの人たちの元から逃げ出してからも、色変化の魔法だけは続けている。
私の本当の色を知られたら、大騒ぎになって面倒なことになるから。
ーー朝御飯を食べ終え、荷物をもって玄関へ向かう。
見送りに来てくれたのは、当然ながらサフィだけだ。
「ルージュ、学園では辛いことも沢山あると思う。いつでもここに帰ってきていいからね」
「…はい、お世話になりました。……今まで、ありがとうございました」
ルージュは一度も言ったことのなかった感謝を伝え頭を下げた。
サフィはルージュを抱き締め、そっと別れの涙を流した。