王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます


でも、あんな顔を見せられたら…、期待、してしまう。

少しでも、ほんの少しでも会いたいって思ってくれているなら

自分が本当に王女で、家族が帰りを待っていてくれるなら…。


(ほんの少しだけ、ほんの少しだけど…、愛されてみたい、と思ってしまう)

「おかしいな…、家族なんて必要ないものだって思ってたはずなのに…」

(家族がどういうものかなんて、興味なかったのに…)

ルージュは自嘲の笑みを零す。

クフォードの寂しげな顔を見ただけで、そう思ってしまうなんて想定外。


あと少しだけ、クフォードが卒業を迎えるまでは…。

(遠くから見かけるだけでもいいから、そばにいて、兄だって思っててもいいかな…)
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