王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
図書室まで歩いていると、当然注目された。
それはそうだろう、なぜかクフォードはルージュの肩に手を置いて歩いているのだから。
(これは、逃げないようにしてるのかな…)
確かにこれでは、振り払って逃げることはできない。
(大人しく、寮の部屋に帰っておけばよかった)
けれど、今さら後悔しても遅い。
だが、図書室の中に入ると一瞬、肩に手を置かれている状況も忘れて目の前の光景に見入ってしまった。
天井まである本棚に本が整然と並べられていて、まさしく本の楽園。
本好きにとっては、地上の楽園なのだ。
(最高…っ。思っきり本におぼれたいっ)
表情はあまり変わらないものの、ルージュの目はキラキラと輝き
そばにいる王子たちが存在を忘れ去られている、そんな異様な光景に図書室にいた者たちは驚きを隠せないでいる。