王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
空気だけではない、実際にテーブルが少し凍った。
みんなルージュの方を信じられないものを見るように見つめている。
今まで直立不動で立っていたメイドも。
ルージュは無言でキースを見つめ返す。
「私に家族はいません。一人も。一度も、いたことはありません。それがなにか?」
「い、いや…。あぁ、あの、ご、ごめん…」
ルージュの言葉にキースは顔を青褪めさせ、狼狽える。
「俺からも謝罪しよう。不躾なことを聞いてすまなかった」
「私からも。本当にすみません」
情けなく狼狽えているキースのために二人は頭を下げる。