王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
「…いえ、すみません。少し感情的になりすぎました」
手のひらをテーブルの方に向け、凍った場所を溶かしていく。
「…いや、今のは完全にキースが悪い」
「そうですよ、あなたは何も悪くありません」
「本当に申し訳ない…」
誰も味方がいないキースは、体を縮めて改めて謝罪する。
「別に、もうお気になさらず。私も敏感になり過ぎていたので」
メイドが新しくお茶を淹れてくれたので、魔法で冷えてしまった体を温めるために口に含む。
温かいお茶が緊張で強張った体を溶かしてくれる。