王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
ー別れ、出発ー
「ルージュ、行ってらっしゃい」
「…いってきます」
これから通う学園は王都にある。
施設がある町から王都まで離れていたので、学園に着くまで二日程掛かる。
途中で宿にも泊まるが、宿泊代(食事代込み)も学園側が出してくれる。
(まさに、至れり尽くせり…)
ふかふかのベッドに寝ころび、これからのことを考える。
ーーあの時、あの人たちから逃げ出さなければ…。
ただ、暴力に耐えていれば…。
こんな風にどこに向かっているのか分からない、迷宮に迷い込むことはなかったのだろうか…。