王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
10.
寮に戻って、一旦クフォードたちのことは忘れることにした。
まずはレイチェルたちが、何をするつもりなのかを知らなければいけない。
教室から寮までの録音箱から声を取り出してみる。
『はぁ。まったく何なのよ、あいつ。バカにしても全然表情を変えないで、この私をバカにしてるのかしら』
早速、レイチェルの怒りの声が聞こえてきた。
他の人の声も混ざっているが、レイチェルと取り巻きたちの声に集中する。
『本当に、あの態度は何なのかしら』
『レイチェル様に逆らうなんて、それだけで退学になってもいいのに』
『そ、そうですよね』
遠慮がちにリィラも声を出す。