この世界で生きるために。
靴箱を抜けてすぐにある掲示場に、それぞれのクラスが貼り出されている。
【3年4組 20番 藤崎灯真 (ふじさき とうま)】
自分のクラスと名前を確認し、僕は教室へと向った。
教室の前まで来て、何やら騒がしいことに気が付いた。
「死神と同じクラスとかついてねぇな。」
「それな。世界のためにずっと仕事で来ないでくんないかな。」
そんな言葉を聞きつつ、戸を開ける。
バッという効果音が聞こえそうなくらいに、クラスメート達が一斉に僕を見た。
「おはようございます。」
僕は何も聞こえなかったふりをしながら挨拶をして、黒板に書かれている席へ座った。
「死神さんよ、朝から人身事故あったろ?仕事しなくていいのかよ」
「僕には出動要請がありませんでしたし、あの場には他に1名、死神がいらっしゃいましたので。彼は僕に学校へ行くよう指示を出しましたので仕事はしませんでした。」
「はぁ?学校なんて来んなよ。気が散るんだよ。」
「知りません。僕は極力、学業に専念するように言われてますし。貴方に僕の行動を決める権利はないですから。」
死神というだけで、誰もが気味悪がり遠ざかっていく。
だからこそ、死神は高校を卒業してから、自分で自分を守る術を身に着けてからなるものなのだ。