この世界で生きるために。
「全員、席につ…いてるな。珍しい。」
ドアを開けながら、担任の教師が珍しいものを見たというようにキョトンとしながら言った。
「今年は藤崎がいるんだったな。授業中に仕事が入った場合、授業の担当教師に声を掛けてからいけよ」
「えぇ、承知しておりますよ。ところで先生、朝は事故のあった電車に乗っていました?何か憑いてきてしまっておりますが…祓います?」
僕のひとことに、クラスメート達は青ざめながら担任を見つめた。
「ああー…やっぱり憑いてるか。一番前の車両…しかも運転席が見える位置にいたから、目ぇ合っちまったんだよなぁ。金かかる?」
「いえ。僕が勝手に祓っても上の人達には怒られない程度なので、お金は取りませんよ。というより、僕が気になって仕方ないので嫌だと言われても勝手に祓わせていただきたい。」
「そうか。祓ってくれると助かる。」
静かに立ち上がり、僕は担任に近付いた。
「目は閉じていてください。すぐ終わりますので。」
担任が目を瞑ったことを確認し、僕は数珠を左腕に付けて担任の肩に手を置いた。
その瞬間、担任に憑いてきてしまった魂は消えた。
「先生、もう目を開けていただいて構いませんよ。気分が悪いとかはありませんか?」
「もう終わったのか。全く大丈夫だ。ありがとな。」
「いえいえ。これも仕事の一環ですから。」
ドアを開けながら、担任の教師が珍しいものを見たというようにキョトンとしながら言った。
「今年は藤崎がいるんだったな。授業中に仕事が入った場合、授業の担当教師に声を掛けてからいけよ」
「えぇ、承知しておりますよ。ところで先生、朝は事故のあった電車に乗っていました?何か憑いてきてしまっておりますが…祓います?」
僕のひとことに、クラスメート達は青ざめながら担任を見つめた。
「ああー…やっぱり憑いてるか。一番前の車両…しかも運転席が見える位置にいたから、目ぇ合っちまったんだよなぁ。金かかる?」
「いえ。僕が勝手に祓っても上の人達には怒られない程度なので、お金は取りませんよ。というより、僕が気になって仕方ないので嫌だと言われても勝手に祓わせていただきたい。」
「そうか。祓ってくれると助かる。」
静かに立ち上がり、僕は担任に近付いた。
「目は閉じていてください。すぐ終わりますので。」
担任が目を瞑ったことを確認し、僕は数珠を左腕に付けて担任の肩に手を置いた。
その瞬間、担任に憑いてきてしまった魂は消えた。
「先生、もう目を開けていただいて構いませんよ。気分が悪いとかはありませんか?」
「もう終わったのか。全く大丈夫だ。ありがとな。」
「いえいえ。これも仕事の一環ですから。」