例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「湊とは、付き合っているのか?」

「え?」



思いがけない言葉にうつむいていた顔を上げる。

そこには顔を赤くした冬弥くんがいて。

だけど、少し気まずそうな表情をしていた。



「付き合ってないよ」

「そうなのか?」

「うん」



私が頷くと冬弥くんは優しい目を向けてくれた。

いつもの優しい目だ……。

冬弥くんの柔らかい表情に思わず私も笑顔になる。


ぽんぽん。

頭を撫でる冬弥くん。

それは1度じゃなくて。

何度も何度も。


私も、冬弥くんに夏樹先輩との関係について聞きたかったけど。

今は。

聞かなくてもいいかな。

冬弥くんの笑顔を今は感じていたいから……。
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