例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「もーっ。いつまで撫でているのっ」

「いいじゃん」

「私、試着してくるからっ!」



そう言って私は試着室へ走る。

本当はずっと頭を撫でてほしかったけど。

そうしてしまったら、冬弥くんと離れたくないという欲が出てしまう気がして。

私は試着することを理由に赤く染まった顔を隠した。


冬弥くんの笑顔がもっと欲しい。

冬弥くんが向ける視線をひとり占めしたい。

やっぱり、冬弥くんに振り向いてほしい……。


……夏休み。

……海。

……お泊り。

告白。


もし、気持ちを伝えてもいいのなら。

ダメもとでも告白したい、かも。

せっかく冬弥くんに水着を選んでもらったんだから。

勇気を出したい……。


そう思ったのに。
< 105 / 287 >

この作品をシェア

pagetop