例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
試着もお会計も済ませた私は、冬弥くんと一緒にお店を出る。

空は暗くなっていたけど、人は多かった。


駅前だからかな。

帰宅途中の学生、サラリーマンが多い。

迷子にならないように。

そんな理由をこじつけて冬弥くんと手を繋げたらどんなに幸せか。

だけど、今はまだ手を繋げない。


冬弥くんとの距離は30センチ。

近いようで遠い。

もどかしい距離。

足元に伸びる2つの影。

その黒い影は近づいたり離れたり。

ゆらゆら揺れていた。
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