例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「じゃあ、また明日な」

「うん。また明日」



冬弥くんと家の前で手を振って別れる。

家まで送るよ。

そんな会話がなくても、自分の家まで一緒に帰ることができる。

……幼なじみの特権。


だけど。

もし。

冬弥くんが夏樹先輩と付き合っていたら。

夏樹先輩は『家まで送るよ』って冬弥くんに言ってもらえるのかな。


そんなことを考えてしまう。

楽しかった時間が終わる。

それは冬弥くんとバイバイしたからなのか。

自分の気持ちが沈みかけているからなのか。

多分、どっちも。


玄関に入る前に空を見上げる。

今日は冬弥くんと仲直りできた日なのに、星がきれいじゃない。

雲がかかって、星がかすんで見える。

少し切ない。

そんな感情を残しつつ、私も家に入った。
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