例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
以前、冬弥くんと一緒にクレープを食べるために座ったベンチ。

もちろんベンチの近くには、あのワゴン車があって。

あの時のお姉さんが子供たちに笑顔でクレープを渡していた。


相変わらずきれいな人……。

冬弥くんとまた来れたらいいなぁ。


なんて考えていると。



「優奈ちゃん。お待たせ」



突然声を掛けられて驚く私。

顔を上げれば湊くんが立っていた。

……街を歩く女性の視線をひきつけながら。

湊くんへ甘い視線を投げかけているお姉さま方は、私の姿を視界に入れると思い切り睨んでくる。

苦笑いしかできない私。



「どうしたの?」

「あっ、いや! なんでもない!」



後ろのお姉さま方の目の色の変わりようが怖いんです!

なんて、言えない。


湊くんってお姉さま方からの人気がすごく高いんだよなぁ。

可愛らしい顔しているんだけど、落ち着いた雰囲気で大人っぽいところに惹かれるんだろう。


ギャップ、というものでしょうか。

私には分かりませんけれども。
< 114 / 287 >

この作品をシェア

pagetop