例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
パーカーをかぶせられた私は、その場から逃げ出した。

私の名前を呼ぶ声も聞こえたけど、無視してしまう自分がいた。


パーカーで体を隠す。

それと同時に、私の悲鳴を上げている心を隠したかった。

走ると息が切れる。

運動はしているはずなのに、なんで息が切れるんだろう。

これ以上走れない。


そう思った私は、みんなから離れた砂浜に腰を落とした。

岩陰に隠れるように座り込む。

呼吸が整わない。

肩を使わないと息ができない。

うまく息が……。



「はっ、はぁっ、は……っ、」



どうしよう。

息ができない。

心臓もバクバクいっている。


なにこれ。

こんなこと初めて。

怖い。


落ち着かなきゃ。

落ち着いて。

落ち着くんだ、私。


そう思えば思うほど呼吸が乱れてしまって、焦ってしまう。


息がっ。

吸えない……っ。
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