例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「はっ、はぁっ。はぁっ、げほっ、」



誰か、助けて……っ。

このままじゃ……。


視界が霞んでくる。

座っていることすら限界。

倒れる。

そう思った瞬間。



「優奈ちゃんっ」



私は誰かに抱きかかえられた。

パーカー越しに伝わる体温。

閉じかけていた目を開ければ……。



「みっ、なと、くん……っ、」

「なにも喋らなくていいから。まずは気持ちを落ち着かせよう」

「はっ、はぁっ、」

「息をゆっくり吐いてみて。息を吸ったら、ゆっくり吐くことにだけに集中して」



私は湊くんに抱きかかえられながら、言われた通りに息を吐く。


吸って。

吐いて、吐いて……。

吸って、吐いて……。



人の体温を感じているからなのか。

湊くんが冷静だからなのか。

息を吸って吐くことだけに集中しているからなのか。

呼吸が段々と落ち着いてくる。
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