例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「はぁ……。はぁ……」

「うん。上手にできているよ」



霞んでいた視界もクリアになっていく。

恐怖感も消え、落ち着きを取り戻してきた。


今、湊くんが来てくれなかったら。

私はどうなっていたんだろう……。


そう思うと怖くなった。

そんな思いを見抜いたのか湊くんが声をかけてくれる。



「今は余計なことは考えないで」



大丈夫だから。

湊くんはそう言って私を優しく抱きしめる。


まだ少し鼓動が早い。

だけど、さっきよりは良くなった。

完全に呼吸が整うまで、あと少し。

あと少し……。

湊くんが私を抱きかかえながら、頭を撫でてくれる。


どれくらい時間が流れたんだろう。

苦しい時間は消え、ゆったりとした時間が流れ始める。
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