例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「自分の悪かったところを自覚した上で謝っているんだよね?」



湊くんが寄りかかっていた壁から離れる。

ゆっくりと近づいてくる。

そして冬弥くんと美波ちゃんに鋭い目を向けた。



「冬弥は優奈ちゃんが痩せた理由を知っているの?」

「それは、」

「痩せた理由を知らないで、適当なこと言って傷つけて。それで謝ればいいと思っているの?」



黙り込む冬弥くん。

そんな冬弥くんを冷たい目で突き放す湊くん。

湊くんのその目は美波ちゃんに向いた。



「人を騙して自分だけ笑っているなんて最低な行為だよ」

「え……」

「優奈ちゃんを泣かせたのに、平気で友達面するの?」



どういう、こと?

湊くんの言葉の意味が分からなかった。


美波ちゃんが私を騙した?

泣かせた?

友達面?


美波ちゃんはうつむいていた。

体が震えていた。



「どういうこと?」



思わず口を開く。

分からなかった。

湊くんと冷たい目。

美波ちゃんの震え。
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