例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「冬弥くんは夏樹先輩に呼び出されていなかったの……?」

「生徒会長になんて呼び出されてねぇよ」

「じゃあ、」

「自販機で飲み物選んでた。……優奈と花火を見るときに渡そうと思って」

「そ、んな……」



私は勘違いしていたってこと?

冬弥くんは夏樹先輩と会っていなくて。

本当に自販機で飲み物を選んでくれていて。

勝手に私は勘違いをして。

勝手に夏樹先輩をライバルだと思って。

勝手にダイエットを必死に頑張って。


……なんで。



「なんで、美波ちゃんは嘘をついたの?」

「……」

「黙っていても分からないよ……」



私が問いかけても美波ちゃんはなにも喋らない。

口を固く結んだままだった。

動きもしない。

だけど、握られているこぶしは震えていた。



「……そろそろ夕食の時間。このままいても如月さんはなにも言わないよ」



湊くんが美波ちゃんを突き放す。

その言葉ひとつひとつに重みがあって。

そして、冷たかった。
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