例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
料理を見るだけで、大体のカロリーが分かってしまう自分。

嫌な考えをしていると思う。

だけど、カロリーを気にしないと食事をとれないんだ。


私たちはそれぞれ料理をお皿に盛り終わった後、4人掛けのテーブルに座る。

隣には美波ちゃん。

目の前には冬弥くん。

テーブルの上に置かれたお皿には個性があふれ出ていた。


でもそれよりも。

冬弥くんと美波ちゃんの視線が私のお皿に向いていることがなんだか嫌だった。

心の中で思っているんだろう。



『これだけなの? もっと食べなよ』



って。


”これだけ”で十分なんだよ。

ゆっくり噛めば満腹にだってなる。

それ以上食べる必要はない。

私は視線に気が付かないふりをして手を合わせた。



「いただきます」

「……いただきます」



食事中、会話はほとんどなかった。

黙々と夕飯を食べるだけ。

みんな食べることに集中している。

それでいいのかもしれない。

関係が壊れ始めているのだから……。
< 149 / 287 >

この作品をシェア

pagetop