例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「わぁ……。きれい……」

「夜の海ってきれいだな」

「うん……っ」



冬弥くんの隣に並ぶ。

その先に広がる景色は言葉で言い表せないほどきれいだった。


昼間見た海とは違う。

漆黒の海。

漆黒の空。

空には満天の星が輝いていた。



「今日は新月だから、星がよく見えるな」

「そうだね……」



広がる景色に感動する。

くすんでいた心が洗われたような感覚になる。

久しぶりにこんなに穏やかな気持ちになった気がする。



「この景色を優奈と見たかったんだ」



冬弥くんの言葉にドキッとする。


高鳴り始める心臓。

2人きりで海を見る。

誰もが憧れるロマンチックなシチュエーション。

冬弥くんが私の方向へ体を向ける。

つられて私も冬弥くんに向き合う。

私より身長が高い冬弥くんの目を見つめる。

冬弥くんも私を見つめ返してくれる。
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